キハ58君の鉄道など ひとコマ

鉄道にかかわることや日々のひとコマを投稿しています。2010年から書いてきた別blogの名前からキハ58を使っています。URLは583系はくつるで^.^/ 

戦後占領下の沖縄を描くエンタメ 映画『宝島』 

第160回直木賞を受賞した真藤順丈の小説が映画として制作・公開された意義は大きい、です。

ジャングリアのオープンで観光一色の報道がなされた沖縄。ほとんどの人が表の沖縄に浸っているが、その裏側はで在日米軍日米地位協定の影響を今も受けています。

現在では裏側に見えるこれらのことが沖縄の方にとって切迫していた戦後から本土復帰までを描く本作。

上映回数が減ってきたので急ぎ記事投稿します。

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米軍基地を襲撃して物資を奪い、困窮する住民らに分け与える若者グループ3人を中心にすえ、リーダー格が突然失踪したなぞ解きを、当時の沖縄生活の成り立ち・陰でうごめく策士・米兵の不祥事対処などのエピソードで組み立てていきます。

なかでも米軍関係者と地域住民による暴動になったコザ騒乱は、セットやVFXで超リアルなエピソードでありその迫力に圧倒されました。

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主要登場人物を演じた妻夫木聡広瀬すず窪田正孝永山瑛太の4人はまるで当人であったような凄みがありました。自己統制した感情、訪れた爆発のとき。大スクリーンにアップで写された表情の数々に圧倒されます。

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惜しいなあと感じたのはフラッシュバックの多様と謎解きの唐突感。

前後をしっかり把握していないと区別がつかないかもしれませんし、物語を動かすリーダー失踪の謎解き部分を”失踪した”という事実だけで引っ張るのは無理があったように思えます。

それでも、広島や長崎の原爆、海戦や陸上戦など主に過去を照らした作品が数多くある中、終戦後80年経っても日米地位協定からみのことがニュースになる沖縄の戦後をスケール感ある映像で映画化した意義ある作品に思えました。

ちなみに『国宝』では5人程度、『鬼滅の刃』では10人以上はトイレ思われる途中退席ありましたが、それらより長い191分の本作では一人もいませんでした。

ボンタンアメのことがあるように、皆さん対策バッチリでした^^

2025年:東映/SONY、監督:大友啓史、撮影:相馬大輔