キハ58君の鉄道など ひとコマ

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大沢たかお以外考えられない信念の主人公 映画『沈黙の艦隊 北極海大海戦』 

日曜日のTOHOシネマズ日比谷での上映はほぼ満席。

昨今の世界情勢に対し共感生むポリティカル潜水艦アクションは多くの方を惹きつけたようです。

さて、いきなりネタバレになりますが、まずもって驚いたのは、ベン・ハーや007のオープニングで登場した吠えるライオンが登場したことです。

20世紀FOXのサーチライトとともにワクワクこの上なし。

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そして作品スタート。前作までのあらすじが挿入された親切なオープニングです。

ですが本作は前作/アマプラもしくはフジTVで放映された総集編を観てからの鑑賞が必須に思えました。

なぜなら、物語の重要なポイントである動機、主人公・艦長の海江田四郎が何故このような行動に出で原潜1隻の国家が誕生したかという原作者・かわぐちかいじが込めたメッセージのその壮大さをあらすじで感じ取るには不十分だからです。

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そして艦長のその理念に立ちはだかる壁が、米国大統領/米軍艦隊と大物であり最強。

ハラハラの海戦とスクリーン上で対峙する観客も力が入ります。

そのシーンをエンターテイメントとして成立させる制作技術が素晴らしいのひと言。

緩急ある潜航や浮上、爆雷や氷山崩壊の衝撃を実感させるカメラワーク、

深海の静寂と戦闘時の音響の落差、

そして暗いながらも海域にうごめく原潜のVFXなど見せ方。

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大沢たかお以外は考えられないくらいの落ち着き払った態度からも伝わる確固たる信念と前述の映像音響の世界、それを補完するような首相役の笹野高史の役柄が素晴らしい地上での政治的動きも面白い。。

心理戦という見えないものと、信念に基づいた海戦という見えるものとの融合が魅力な映像版『沈黙の艦隊』でした。

2025年:東宝Amazon MGM。監督:吉野耕平、撮影:小宮山充、VFXスーパーバイザー:西田裕、音楽:池頼広サウンドエディター:勝俣まさとし