エンドロールに登場した友情出演が5人。こんなに多い友情出演作を初めて観ました。
最近でも再放送された土曜ワイドなどサスペンスドラマの刑事役でとっても良く観る平泉征80歳芸能生活60年での初主演映画です。
新進気鋭で注目されながらも満足できる“音がする写真”を撮ることが出来ず悩み陰にこもる若きカメラマンが、コンテスト一般の部で1枚の写真に惹きつけられます。
そんな彼は全ての仕事をキャンセルし、その写真を撮影した街の写真館の主人(平泉征)に弟子入り。彼は“音がする写真”を撮れるようになるのか……。
この作品ではこの若きカメラマン以外に、本人の親子関係、写真館の家族が抱えている問題に対し、“写真を撮る”という行為がどうかかわっているのかが見どころになります。
本格的に写真を取れれている方にはうんちく臭く感じるかもしてませんが、SNSで気軽に写真を投稿できるようになった今、改めて“写真を撮る”ことがどんなことなのか改めて理解することにもなった作品です。(やり過ぎの違和感も少々ありますが)
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と、まあ作品の狙っていそうなところとは別に、出身地・愛知県岡崎を舞台にするなど先の友情出演といい平泉征へのリスペクトにあふれた作品です。
ラストに用意された集大成的エピソードにはちょっと驚き。奥さん役・市毛良枝さんの愛くるい笑顔やさしさが印象的でした。
作品としての深みを求めるのではなく、暖かい目で見てあげて欲しい作品です。
監督:秋山純、原作:あるた梨沙、脚本:中井由梨子