NHK朝ドラ・カムカムの夫婦役を演じた松村北斗と上白石萌音が主演する話題作。
なかなか認知や理解されていない月経前症候とパニック障害をもち、生きづらさを感じている二人が知り合った時に何が起きるか。
若手実力派2人による王道のBoy meets girl スタイルに収まらない予感が、予告編から感じ取れていました。実際に鑑賞すると、想像以上の心地よさに浸れたんです。
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お茶碗の白飯でさえ農家の方がお米作って、流通されて、整備された水道・電気やガスなどがあり炊きあがるように、一人では生きられない私たち。
一人で生きられないがゆえ、周りに理解されない苦しみ、理解されても迷惑をかけてしまうのではという心配。
そんな苦しみや心配がスクリーンからひしひしと伝わってきます。
でも観るのがつらくなるような作品ではありません。
16ミリで撮影された画質は、『カイロの紫のバラ』ではありませんが、まるで作品の中に入って見守っているような錯覚を生んでくれるんです。
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作品全体が優しさに包まれていました。でも『魔女の宅急便』主題歌の“やさしさに包まれたなら”は似合いません。そういう作品でした。
2024年:アスミックエース他、監督:三宅唱、印象的な撮影:月永雄太、いい雰囲気な音楽:Hi'Spec。